持病がある、障害がある…ハンディを持った人の婚活入門

今回から何回かに分けて、病気がある人や障害をお持ちの人の婚活について考えていきたいと思います。

どんなにハンディがあっても結婚する権利はあります。ただし、それと婚活でうまくいくのは別の話になり、相当な戦略を持って行わないと大変な苦労をすることになります。いつも以上に、真面目にこの問題を考えていきたいと思っています。

障害を持つ人の結婚率

障害を持った人の結婚率について、詳細なものはまだないようですが、複数のデータや調査を組み合わせると数%(1%~5%)で、障害がない人の結婚率と比べてもかなり低くなっています。

もちろん、結婚後何らかの理由で障害を持った方もいますので、そういうケースでは通常の結婚をしたということになりますが、最初から障害あるいは病気を抱えていると、結婚についてかなり高いハードルがあると言えるでしょう。

以下障害や病気について書いていきますが、個人差があります。当然、寝たきりで何もできない人は結婚や婚活どころではないことを理解します。
ここでは、「結婚したい」という思いがあり婚活ができるくらいの行動力がある人を対象として考えていきたいと思います。

障害についても

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害

がありますが、特に難しいのが精神障害、ないし精神疾患の人の結婚です。一説には結婚できる可能性が1%程度だと言われています。

精神障害が色々難しいのはなぜか、これは障害独特なものがあります。
身体障害(車いす、目や耳が不自由)ならば、バリアフリーで配慮されていれば普通に働くことができます。
知的障害であっても周囲のサポートと理解があれば日常生活を送ることができます。
ただし障害の程度によってはかなりの理解が必要になるでしょう。

問題は精神障害で、要はうつ病や統合失調症、パニック障害なのですが、この病気にかかっている方の就業率が著しく低い(約20%)のです。精神障害があると、朝起きられない、ベッドから出られない、外出ができないなど日常生活に大きな支障をきたします。

「甘えている」のではなく、体が動かなくてそのエネルギーが出ません。
当然、婚活をするのは大きなハードルがありますし、夫婦としてやっていくにはかなり大変です。

婚活で難しい理由

障害や持病があっても、日常生活で知り合い、恋愛をして結婚をする。そうした方々は決して少なくありません。
しかし、「あの人が結婚できたから私もできるはず」と根拠がない自信を持つのは危険です。
健康上問題がない人であっても婚活で苦労します。

  1. 異性とコミュニケーションを取り付き合う能力(恋愛結婚できる能力)
  2. 日常生活を問題なく過ごして生活を維持できる能力(婚活できる能力)

は別物だと思ってください。

なかなか結婚できない人は①に問題があることもありますが、病気や障害があるとそれに②が加わってしまいさらに不利になります。

「婚活」というステージで結婚相手を見つけようとした場合、病気や障害があると著しく大変になると思ってください。
一番いいのは①があり、自然と恋愛結婚できることなのですがそうした人ばかりではありません。

なぜ婚活で苦労するのか?

婚活の場合「年収」「職業」「容姿」「年齢」などで相手を吟味していきます。
「好き」から入るのではなく、「条件」から入っていきます。

当然、病気や障害が加点要素になることはありません。
見た目では分からないものであっても、それを知ってしまうとお断りというケースはいくらでも考えられます。

もちろん、障害を持っているが年収1000万円超という人も中に入るでしょう。しかし、その場合であっても夫婦として生活できるのか、子供を育てられるのか、「普通の人」(病気や障害がない人)より苦労する人生になる可能性が高いからです。

また、残念ながら偏見というものも依然存在しています。「○○という病気は家系だから不幸になる」というような人は依然として存在しています。

愛があればそれも越えられるのかもしれませんが、婚活は最初から愛があるわけではないので、そこで断ってしまうことが多いのです。

より苦労する精神疾患

特に理解していただくのが難しいのが精神疾患です。
病気や身体障害であればその部分についての評価がどうなるか、になりますが、精神疾患の場合全人格的に「この人ヤバいのでは?」という偏見から入ってしまいます。

もちろん、本当に精神疾患が重い人と生活するのは大変でしょう。
突然何もできなくなる人とわざわざ一緒に暮らす必要はないからです。

これについては答えがなく、「精神疾患の人同士が結婚する」のがいいという人もいますが、お互いに支えられるのか、むしろ「共倒れ」になってしまうのではないかという危惧があります。無理やり結婚しても生活が破たんしてしまえばどうしようもなく、かといって外部が介入する余地も予算もないからです。これについては別記事で深く掘り下げていきます。

打ち明けることの難しさ

どういう婚活であっても、ある段階で病気や障害については打ち明けなければなりません。
パッと見分からなくても「実は…」という人は結構います。

婚活サイトや婚活パーティーでは(見た目で分からなければ)黙って活動することができます。
しかし、結婚後には絶対にバレてしまいます。
保険に入れない、定期的に通院することが必要など、黙っていることはできないですよね。

しかし、いちばんはじめに自分のハンディを打ち明けたら、カップリングするものもしない、という結果になってしまいます。言い方は悪いのですが思い切り「色眼鏡」で見られてしまい、全く婚活としての結果が出ないということも考えられます。

本当は相手に好きになってもらい、恋愛感情を発生させて、「もうこの人しかいない。大好き!」と思わせられれば打ち明けられるかもしれませんが、そこまで持っていける人はそもそも婚活しなくても結婚できるわけで…というジレンマです。

最初から全てさらけ出してそれでもいい人を探す、という方法もありますが、これは全ての婚活で有効ではありません。それについても別記事で触れたいと思います。

外見で分かる人ならばその時点で打ち明けなければなりませんが、そうでない場合打ち明けるタイミングが非常に難しいのです。
もし黙って結婚した場合、それが離婚事由になることも考えられます。

法律で定められた離婚事由(離婚できる原因)は以下の通り

  • 不貞行為(不倫)があった場合
  • 配偶者から、悪意の遺棄を受けた場合
  • 配偶者の生死が、3年以上明らかでない場合
  • 配偶者が、強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
  • その他、婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合

強度の精神病云々はそもそも結婚できないくらいの症状ですので、実はあまり該当せず、最後の「婚姻を継続しがたい重大な事由」で、要は「大事なことを黙っていた」と訴えられる可能性があるということです。
愛があれば乗り越えられますが、愛がない場合もあります。
その場合黙っていると困ったことになりそうですね。

婚活の前提条件をクリアできない?

そもそも、病気や障害があると婚活の前提条件をクリアできない可能性があります。
「心身健康でない」ということではなく、具体的には職業と収入です。
特に男性の場合「定職にあり一定の収入がある人」という条件がもれなくついてきます。

病気や障害で働けない場合、そもそもここではじかれてしまいますし、働いていてもアルバイト程度ではとても評価されることはないでしょう。

女性:アルバイト 年収100万円 でも(健康な人でも)結婚できますが
男性:アルバイト 年収100万円では話になりません。

加えて病気や障害があれば…、婚活市場で戦うのはかなり大変なことだということが分かります。

もちろん、そういう人は結婚すべきではない、ということでは絶対になくて、むしろ支え合える結婚をすべきなのですが、婚活市場の活動資格がなければ何もできないというわけです。

障害年金を受給していればそれだけ収入は上乗せできますが、特に男性の場合はそれだけで婚活は至難の業です(婚活できる人の年金では年間100万円ないでしょうし)。女性の場合は年金があれば、パートの主婦みたいに定期的な収入があるからOKという男性はいます。

男性→(病気や障害を持った)女性は結構あるのですが
女性→(病気や障害を持った)男性はかなり厳しいと思ってください。

病気や障害がある男性は同じようにハンディがある女性でも構わないという人は結構いるのですが、病気や障害がある女性は自分が弱い立場なのでそれをサポートしてくれるハイスペックな男性(大企業、公務員等で健康な人)を求めがちです。ここで需要と供給が合わなくなります。

大企業や公務員の健康な男性はわざわざ病気や障害を持つ女性を選ぶ理由がないからです。
日常生活の中で恋愛をしてならば別ですが、婚活であえてそういう人を選ぶメリットが彼らにはないからです。

つまり
病気や障害の男性→病気や障害の女性はあっても
病気や障害の女性→病気や障害の男性は非常に少ないので、どちらも結婚できないことになります。

健康な男性→病気や障害の女性はありますが、
この健康な男性は婚活市場で相手にされない感じ、つまり(年収はあっても)モテない、ダサい、コミュニケーション力がないなどダメな男性かもしれません。それを女性は許容できますか?

などと非常にナイーブで複雑な問題が絡みます。何回かに分けてこのケースについて考えていきたいと思います。
私は病気や障害があっても本人の意思があるならば結婚すべきで、そのために何ができるのか考えたい立場です。

ハンディを持った人の婚活について入門 まとめ

  • ハンディがある人の結婚率は非常に低い
  • 恋愛結婚できず婚活した場合非常に苦労する
  • 特に精神疾患の人は偏見もあり避けられる
  • どんな婚活でもある段階で打ち明ける必要がある
  • ハンディがあると婚活の条件面が厳しくなる
  • 働けないハンディがある男性は婚活自体の「資格」がないのが現状
  • ハンディがある女性への需要はあるが、ハンディがある男性への需要が非常に少ない
  • 厳しいからこそ戦略的に婚活する必要がある
  • 病気や障害があっても結婚したい意識があれば結婚すべきで権利もある