【コラム】婚活講師活動を通して・・・メンタル疾患の人のイベントで婚活講師が話したこと

筆者は一応肩書として「セミナー講師」というものを持っています。
本稿執筆時にはまだ数回しか実施していませんが、どの回も参加者から好評な反応をいただいています。

今回は昨年8月に行った、「メンタル系疾患の人向けセミナー」の内容を少しお話ししたいと思います。
どういう感じだったのでしょうか?

セミナーの内容

行ったのは「リカバリー全国フォーラム2016」とういう、心の病と闘う人およびその支援者(ご家族、医療関係者、学者)が集まる大規模なフォーラムです。

リカバリー全国フォーラム2016

筆者は仕事上の関係者(結婚相談所代表)などに声をかけて3人で、このフォーラムの分科会の公募企画として応募しました。
公募はかなりあったようですが、なんと筆者の企画が選ばれてしまいます!

「精神疾患があっても結婚したい!結婚できる? 婚活当事者と結婚相談所担当者が語ります!」

<分科会11>(リンク先にあります)

今回は心の病気、精神疾患での障害者の方に限定して、その方々がどう婚活すれば結婚できるのか、そもそも婚活ができるのかについてお話をしました。

他の分科会が、働くためにどうしたらよいのか、どう周囲がサポートしたらいいのか、という内容が多いのに対して、直球で「婚活できるの?」というお話をさせていただきました。
皆さん、結婚したい!という意識が強いようで(当然です)100人を超える方に当日は出席いただきました。

障害の有無にかかわらず(あるいは持病の有無にかかわらず)、結婚したいと思うのは人間として当然の感情だと思います。
問題は、現実にそれがかなうか?ということになります。

当日の資料、レジュメ

当日はレジュメ集とプロジェクターで内容を投映して、質疑応答をはさみながらセミナーを進行いたしました。
あまり内容を作り込んでくるよりも、参加者の方の反応を見ながら進めた方がいいと思っていたからです。


※壇上(大学の教室)に座る筆者

私のセミナーのポリシーとして、一方通行にならず、参加者の方の質問、意見、要望、罵倒(!)などを受けながら進めた方が頭に残るのだろうと思っていたからです。
これは前職の時に、セミナーの企画業務をしていて、自称有名コンサルタントがレジュメを読み上げるだけのセミナーを実施していたことへの反面教師です。

ハンディを持った人の婚活については、すでにこのサイト内にページがあります。

障害、ハンディキャップの婚活カテゴリー

それでは私が作成した部分についてのみ、レジュメを掲載します(権利上申し訳ないですが私の箇所のみです)。
(以下レジュメ記載内容)

婚活の現場を取材、体験して実際はどうなの?

重症時は婚活できない

  • 精神疾患が重症化すると婚活をすることができなくなる(物理的、心理的)
  • まずはある程度のところまで症状を完解させることが優先。その間は結婚欲求は出なくなる。
  • とはいえ元の状態に戻ることはあるのか、婚活再開の妥協点を探る必要性あり。

婚活パーティー、婚活サイト、結婚相談所とこころの病

婚活パーティー

病歴を隠すことは可能。ただしどこかで打ち明ける。
障害者限定パーティーはあるが、精神疾患限定はほとんどない。
ただでさえ会話の糸口が見つかりにくいもの。
病歴を出すことで盛り上がるのか?

婚活サイト

病歴(身体、精神)を出して活動している人はいる。
ただし非常に少ない。
もし、そこでOKになればうまくいく可能性もあるのでは?

結婚相談所

入会が断られる可能性がある。
病気、病歴は相談所が把握(知らないと相手の相談所とのトラブルの元)、出すか出さないかは相談所判断。
 
年収が少ないことは特に男性は隠すことができない(最低ライン250万円?)
年収が低い男性は相手にされない→むしろ訳ありをアピールすべきか(訳ありを狙うしかない?)

回復したら相手は見つかるのか?

  • 女性は病気が回復すれば問題ない
  • 男性は年収の問題が付きまとう
  • どこかで打ち明ける必要はあり(保険に加入できないなどバレる)
  • 結局、不利な条件のまま婚活市場に放り出されて実力勝負になる

精神疾患の人でも婚活できるの? フリートーク


※手前:マイクで講演する筆者

婚活できることと結婚できることは違う

  • 相手にも選ぶ権利はある
  • ただでさえスキルが乏しい人にはかなりのハードミッション
  • 病気前と病気後では「難易度」が違う
  • 婚活方法を吟味する必要があり
  • 「何でもします」と付加価値をつけよう

障害者同士がいい?健常者が受け入れてくれる?

  • 障害者同士の結婚が望ましいのか?健常者にサポートされた方がいいのか
  • 婚活市場であえて「障害者」を選ぶメリットがない
  • 女性障害者は理想が高い→結局成立しない

年収の問題、障害者雇用枠で結婚できる? 年金受給者はどう?

  • 婚活市場における男性の評価→年収:障害者雇用では少なすぎる
  • 婚活市場における女性の評価→年齢、容姿:障害年金を持参金代わりにする例あり
  • 男性の場合障害年金の金額だけではお見合いはまず成立しない

皆様のご意見を聞かせてください。

参加者の皆さまとフリートーク

まとめ

  • 精神障害者、精神病歴がある人でも結婚願望があり、認められるべき
  • 障害者同士が結婚することで共助になる。税金等の削減、生活費を節約
  • 愛することは誰でも認められるべき
  • 現状の婚活では障害者の需要が少ない、供給もできない
  • 病歴よりも「年収」が大きなネックになる
  • 病気を隠している人は意外と多い
  • 「健康な人」と果たして婚活で結婚できるのか、理想と現実
  • 受け入れてくれる結婚相談所などが非常に少ない

この内容を話しながら当事者の方から積極的にご発言いただきました。

当事者の意見

当日、我々の「分科会11」には100名を超える参加者の方に来ていただきました。

当事者

実際のメンタル疾患の方ですが

  • うつ病
  • 躁うつ病
  • 総合失調症
  • 発達障害

など様々でした。
講演中もぶつぶつとつぶやいたり、突然声を上げたりしてしまう人がいるのは、病気なので仕方がないことなのだと思いました。
その他、当事者の親御さんや福祉施設の職員の方などがお見えになりました。

上のレジュメで書いたように、「健常者」以上に婚活は困難を極めるという事実を出されると落胆の色も見えました。

  • 好んで病気の人を婚活で選ぶ人はない
  • 男性は収入がないと婚活のステージに上がれない
  • 突然病状が悪化して働けなくなるリスクがある

というわけで、言い方はよくないのですが「地雷物件」であることは否定できません。

ただし、それは既存の「婚活」をした場合で、リアルに出会いがあり恋愛できればそうでもないようです。

参加者の声

私は統合失調症ですが、作業所(就労施設)で知り合った人と結婚しました【当事者男性】

 

私は作業所で出会った旦那と3日で子どもができてしまいました(場内騒然)。親には大反対されましたが、(子供を)産みました!(場内拍手)【当事者女性】

 

娘がうつ病なのですが健常者の彼氏とそのまま結婚させていいものか【親御さん:父親】

実は、病気だから、障害者だからということで「恋愛偏差値」が低いということはないんです。
モテる人は病気だろうが障害だろうがモテます。

その辺は持って生まれたものもあり、モテ体質の人であれば、通っている施設での出会いや、その他の場所で健常者の人と恋愛して結ばれることもあります。
しかし、やはりモテないタイプはいるわけで、その人たちは「婚活」をしなければならず大いに苦戦します。

参加者の声

一度婚活パーティーに出てみたいが、人が多いところが怖い【当事者女性】

 

婚活をしてみたいけれども収入が少なすぎる【当事者男性】

 

障害年金だけしかもらっていないがそんな自分に需要はあるのか【当事者男性】

私、および他の参加者からは
女性の場合は婚活のステージに立つことはできる(結婚できるかは別の話)。
男性は何とかバイト程度でも働くか、思い切って障害年金を受給するべき。
という意見が出ました。

とにかく毎月数万でも安定した収入があることが何よりも「婚活」では大事なんですね。

メンタル疾患同士の結婚相談所でのお見合いについては、徐々に成立してきているようです(その後成婚者が出た、と同席した結婚相談所の方からお聞きしました)。
とにかく「婚活」のステージに立ってそこで「戦略」「戦術」を練らないと普通のモテない人以上に厳しい世界だということが分かります。

最後に、

  • 普通の婚活でも成婚率は10%以下(一番高い仲人型結婚相談所でも10%ない)
  • 障害者(色々な)の結婚率は数%
  • 特に精神疾患、精神障害者が厳しい

という事実をお話ししました。

体が不自由な方であれば、それをサポートする福祉用具(車いす、杖等)があれば働いて結婚生活ができますが、メンタル疾患の場合「完治」の概念がなく「完解」と言って「症状が出なくなった状態の維持」にとどまります。
つまり、いきなり朝ベッドから出られなくなるというリスクがあり、そこがウィークポイントになってしまいます。

実は当日新聞記者の方が取材に来られていて、後日地方紙(信濃毎日新聞=長野県)の記事になりました。
ただ、私の名前が出ておらず「いなかったもの」にされていて残念です。
セミナーのコーディネイトは私です!

でも当事者、支援者の方々から積極的に意見をいただき、時間いっぱい討議することができました。
これは私自身大きな収穫になりました。

アンケートは?

後日、当日集計したアンケート結果がきました。

私たちの「分科会11」は賛否が割れていて、5段階評価の (悪い)1~5(良い)がほぼ同率でした。
ちなみに他の分科会はほとんどが4か5(つまり良い)の評価です。
これは、我々の分科会の内容が良くなかったということではなく、参加者の皆さんが真剣に考えて議論した結果です。

他の分科会は公募ではないので、あらかじめ出席者や講演者が決まっています。
要は身内でやっていて「そうですよね。病気わかります」という内容なのですから評価がいいに決まっています。

しかし我々の分科会は、まったく外部からの公募であり、「メンタル疾患があると婚活はキツイ」と言い切っていますので、結論が残念だと思う人もいたのだと思います。
ただ、キツイだけで無理ではないです。
だからこそ、当サイト等を読んでいただき、より可能性が高い婚活をするのがベストの選択になります。

メンタル系疾患の方の婚活について相談に乗ります

私自身過去にメンタルを病んだことがあり、当事者の方の気持ちがわかります。

私が結婚相談所を経営しているわけではありませんが、「コンサルタント」としてメンタル系の病気の方の婚活相談をさせてください(費用は要相談:高くしないです)。
いくつかの結婚相談所に知り合いがいるので紹介できるかもしれません(入会できるかは先方の審査次第です)。

私の婚活理論については当サイトでご理解いただいていると思います。
説得力があるなー、と思った方はぜひ。

私のツイッター

とちょっと宣伝も(笑)。


昨年実施した「メンタル疾患の人のイベント」で婚活講師が話したこと まとめ

  • 病気や障害の人を避ける人は当然いる(仕方がない)
  • 障害者の結婚率はかなり低い
  • その中でも精神疾患は一番きつい
  • 収入が少ない、ない男性は婚活というステージに立てない
  • 障害年金でもなんでも「安定収入」があるとよい
  • 福祉施設などで知り合い恋愛結婚する人もいる
  • 「婚活」となると相応の戦略、戦術が必要
  • 誰でも幸せになる権利はある
  • 結婚や婚活への当事者の関心はかなり高い
  • 自由闊達な討議が行われてセミナーイベントとしては成功裏に終わった