婚活本を比べてみました!!

たまたま30年前、1985年発行のお見合いに関するHOW TO本を入手しましたので紹介、レビューしてみます。

今の明らかに違う婚活事情や、当時の価値観が出ていて今の我々とのギャップに驚くことが多いと思います。
お見合いとして不変な価値観、時代と共に変わるべきものなど感じていただければと思います!

お見合い本について

  • タイトル:絵で見る見合いのマナー全科
  • 著者:篠田弥寿子さん(日本現代作法会 会長)
  • 発行日:1985年5月(「増補版」が2000年9月)
  • 発行:ひかりのくに株式会社

現在でもamazonで増補版を購入することができます。

レビューにあたり私の立場

30年前の本にツッコミを入れて行きますが、お見合いそのものは全く否定しません。
他の記事を読んでいただくとわかるように、私はお見合い復権論者でモテない人は今こそお見合いに頼るべき、という立場です。

ただし、30年前とは時代背景が違います。
伝統的なお見合いをセッティングする人も、したことがある人も、アドバイスできる人もほとんどいないでしょう。
「お宅の娘さん彼氏はいないの?」などと聞いた日にはセクハラになってしまいます。

ですので、この方の書かれた内容が果たして現代に沿うのかどうかということについてツッコミを入れて行きます。

実は私が持っているのは「増補版」なのですが、2000年時点であるべき「メール」「携帯電話」「パソコン」などへの言及が一切ありません。おそらく、1985年版とほとんど変わっていないと思います。

1985年→2000年の変化と、2000年→現在の変化では前者の方が明らかに大きいですから、2000年当時のことを書いたつもりでもやはり大きく時代遅れだといえます。

それを踏まえて、各章ごとに見ていきましょう。

著者の大前提

「まえがき」で著者篠田さんの価値観をまず感じることができます。

簡単に言いますと
「伝統的な昔ながらのお見合いが最高で絶対」
そこからずれる今(当時)の婚活は良くないというものです。

例えば

彼女がいてそのまま結婚したいんですけど
は?本当にそれでいいの?
恋愛と結婚は別です。
一時の気の迷いで後々取り返しがつかなくなりますよ!
友人からの紹介で付き合いたいのですが
は?友人は責任をもって紹介できないでしょう。
そんな何かトラブルがあったら大変ですし、どこの馬の骨ともわからない人を…
仲人が立ち合いしない当人当時の略式のお見合いはいいですか?
は?何のために仲人がいて釣書を交換すると思っているんですか。
昔ながらのお見合いこそが合理的。
仲人も釣書も意味があって存在するのですよ

最初から飛ばしていますね。

確かに「結婚」という目的のためには「お見合い」は極めて合理的な戦略・戦術になります。
特にモテない人、恋愛が苦手な人はお見合いが一番可能性が高いでしょう。だからと言って昔が絶対に正しいというのは懐古主義と言わざるを得ないでしょう。

もちろん著者も良かれと思って書いているので、ここはあまり批判せずに内容のギャップについて突っ込んでいきます。

1章「見合いは合理的に交際相手を求めるシステムです」

お見合いの合理性、恋愛結婚に比べていかに優れているかが説明されています。

若い人は人間的に未熟で人を見る目がないのだから、お世話をしてくれる大人の紹介で縁談を設けたほうが確実だ、と言い切ります。

恋愛結婚には問題があるから、もし付き合っている人と結婚したいのなら周囲の大人(家族とは限らない)によく相談してアドバイスをもらいなさい。

そんな人今いないって。

2章「見合いを依頼するとしたらどんなことに気を付けるべき?」

当時はお見合いしたいと思ったらすぐに世話をしてくれる人が見つかったようです。

今、モテない人がお見合いできないのはお世話をしてくれる人自体がいないんですが…。

  • 縁談の依頼は本人が赴く
  • 手紙はよほどのことがない限り書かない
  • 親が勝手に縁談を進めない

これらは今でも通用しそうですね。


誠意をもってお世話をしてくれる人にお願いするのは大切だと思います。縁談の依頼の並行もOK。

結婚相談所については「世話人がいない場合は…」と条件を付けています。縁談を依頼しても1か月~1か月半はかかる、と書いてありますがそれで見つかるのだからすごいですね。

私の場合、1年かかってようやく1人見つけてくれた世話人がいました。

第3章「どういうふうに自己紹介をしたら良いのか」

身上書、釣書の書き方です。

  • 履歴書:就活の際の履歴書の内容です。
    つまり、生年月日、学歴、職歴・・
  • 身上書:それ以外の部分です。
    つまり、趣味、資格、身長体重、健康状態・・
  • 家族書:両親、きょうだい、同居の祖父母の履歴書です。

この順番に書きます。
もちろん手書きでワープロは持ってのほか!

名前にはフリガナを振って読めるようにします。

フリガナは今みたいに「キラキラネーム」はいないでしょうから必要ない気も。

封筒にも指定があります。
上記3枚を三つ折りにして白地無地の封筒に入れて方向も指定されます。
表面には「○○△△(氏名)身上書」と縦書きにします。

第4章「見合いの話が来たら」

実際にお見合いの話が来た時の対応です。

話を持ってきた人には親と一緒に三つ指ついてお礼をします。

えーー

もちろん過去の異性関係は全て清算。
恋人との写真も手紙も全て燃やして灰にします。

女性の場合はこの段階で料理教室に行くなどして花嫁修業してくださいと書いてあります。

今ならば抗議が殺到しそうですね。

あと、今(1985年)は昔と比べて男女とも手軽に恋愛するようになっていますが、それが堂々と世間に通用する時代ではまだない、などとさりげなくすごいことが書いてありますね。恋愛は悪いことらしいです。

「見合いを引き受けるときのやり方」(仲人に全部お任せする)、「上手な断り方」、「世話人への配慮」などは今でも役に立ちそうです。

お見合いを受けるときは電話をかけるのが「現代的」だそうです。

今ならメールでしょうか?
LINEはさすがに…。

第5章「見合い写真を上手に撮るためのテクニック」

「せっかく写真館で撮るのですから」とはじまります。
つまり、スナップ写真だけを渡すということはありえない認識だということです。

写真館でのポーズの取り方、太っている人はこういう服、背が低い人はこういう服などは今でも通用しそうです。
メイクについては今と30年前では違うので参考にならないでしょうね。

「見合い写真(写真館で撮ったもの)」+スナップ写真数枚というのは今もよくやる方法ですね。

第6章「縁談を依頼された時の世話人の覚悟」

これを読んでいる人には直接関係ないのですが、30年前の人間関係では縁談の依頼をされることが当たり前にあったということです。

世話人としての心構え、両親や本人に聞いておくべきことなども書いてあります。
適当な人がいなければ断ってもいいですとあるので「義務」ではなかったということですね。

第7章「見合いが本決まりとなったら」

双方がお見合いを了解した後は、世話人=仲人主導でお見合いをセッティングする流れが書いてあります。
スケジュール調整、日取り、場所の決定、全て世話人の仕事なんだそうです。

これ、ボランティアでやるには負担が大きすぎますよね。
今は誰もやりたがらないわけです。

「大安」「友引」にこだわらないでいい、とありますがむしろお見合いの段階でこだわる人がいたんですね。

あとは、

  • 食事はなるべくしない
    (マナーが出る、話しづらい)
  • 和室は避ける
    (足が痺れるではなく「和室のマナーがなってない人がいるから」だそうです)

などは今でも通用します。

初回、食事は避けたほうが賢明なのは今も同じですね。

第8章「見合い当日までに決めておくべきこと」

当時お見合いでは「本人+仲人」だけでなく「付添人」という人が同席したようです。

付添人は親ではなく第三者になります。
役割は「この人はこんなにいいところがあって」と第3者から褒める役割です。

親がダメなのは、男性の場合当人が幼く見えてしまうこと、女性の場合は年を取った姿が母親だから(美人とは限らない)、だそうです。

「年が離れていて発言に説得力がある異性の他人」がいいとありますが、そんな人いないでしょう。

あとこれは意外なのですが、お見合いの費用は両家が折半してください、とあります。
今だと結婚相談所でも「初回は男性が全部払う」と決まりを設けているところが多いのですが、「古き良きお見合い」は折半なんですね。

当日は仲人が立て替えて、後日両家から謝礼+手土産と一緒に受け取ります。

第9章「見合い当日の服装」

ここはなかなかすごいです。

お見合い当日の本人、付添人の服装について書かれてあります。

「和装」「洋装」の違いやそれぞれの服装の「格」なんて記述があります。

要は

  • 女性側:振袖(第一礼装)の場合
  • 男性側:ブレザー(略式)ではダメで、ブラックスーツ(礼服)

にしなさいというものです。
四段階の「格」があり両家が同じ「格」に合わせます。

頭が混乱してきました。

第10章「見合いの当日」

いよいよお見合いの日です。
まずは席次が問題になります。

今あるように女性が上座ではないんです。
「基本的に男性が上座」と書いてあります。

かなり驚きですね。いいんだ、この時代は。

あとは本人同士が正面にならないよう互い違いに配置するなど(緊張するから)今では考えられない配慮があります。

お見合いの流れは

世話人「本日はお日柄も良く…」

男性本人「私は~と申します」

女性本人「私は~と申します」

男性付添人「彼は~で・・」

女性付添人「彼女は~で…」

と決まっていて仲人と付添人が話を振るなどしてサポートしていきます。

話すのが苦手な今のモテない人にこそこういう人が必要なのだと思います。今いませんかね、こういう人。

一定時間経つと「あとは若い2人で…」という展開になります。

お見合いは2~3時間が原則。
今だと1時間くらいと指定する結婚相談所もあるのでかなり長いですね。

常に公開の場所で行い(個室やカラオケボックスはNG)、日が暮れるまでには男性が女性を送っていきなさい、だそうです。

えー、今だとそっちの方が怪しいですよね。


女性の家への電話は女性自身が公衆電話からかけます。
男性が女性の家の電話番号をこの段階で知ってはいけないからです。

公衆電話…。

第11章「見合いの席上でのマナー」

箸の使い方、ナイフ・フォークの使い方、コーヒーの飲み方…、
やはり初回は食事はやめておいたほうが良いということが分かりますよね。

第12章「見合いが終わってから」

お見合い後の話です。

今の感覚だと当日~翌日に仲人にYesかNoかの返事をするのが一般的ですが、30年前は時間的猶予があります。
こんな流れです。

当日

本人(&親)が仲人へお礼の電話

翌日

親(母親がよい)が手土産とお見合い経費を仲人へ持参。
経費は現金ではなく商品券などで代用。

一週間~10日以内

交際するかどうかの返事

お断りする場合はさらに「すみませんでした」の意味を込めてさらに手土産を持って行きます。

すぐに返事をしなくてもいいのは助かる人もいるかもしれませんが、今の時間感覚では遅い感じですね。

第13章「お付き合い」

お互いにOKして付き合うことになったら、何とデートの度ごとに仲人へその内容を事細かに報告します(!!)。
仲人ありきの話なので全て仲人が知るべき、という考えです。

当然こんな感じでは、体の関係など絶対にダメ(!!)と念を押しています。

デートやお付き合いの責任は100%男性にあります(時代ですね)。
でもデート費用は折半(割り勘)にしてください、と念を押しています。

その辺りのバランス感覚が良く分かりません。男尊女卑が強く100%男性の責任なら女性に払わすのはダメなんじゃ?収入の男女格差も今なんてものじゃないですし(女性が総合職になれない時代の話ですよ)。


あと問題は電話です。

携帯電話もPCもメールもLINEもない時代なので、相手の家の電話に直接かけます。

「○○さんとお付き合いさせていただいている△△ですが…」と非常に面倒くさいですね。

  • 深夜は避ける
  • 長電話はしない
  • 秘密の会話はしない

今ならば意味がない注意事項ですよね。
この時代の人は大変だったんだなぁと思います。

プロポーズは2~3か月が目安。
その後相手の両親と仲人に報告します。

最初から最後まで仲人ありきなのが昔のお見合いです。

第14章「世話人と見合いの締めくくり」

お見合いの責任は全部世話人(仲人)にあるので、本人から返事がない場合は催促する、悩みがあったら相談に乗るなどしなければなりません。
縁談の進行は本人、親ではなく仲人にあります、ということが書かれています。

かなり驚きです。

総評

30年前の「正しいお見合い」にかなりツッコミを入れてしまいましたが、このやり方を否定するわけでも批判するわけでもありません。
むしろ、今求められているのはこういうお見合いのやり方です。

いくら努力しても婚活がうまくいかない、自力で相手を見つけられない(私のような)人は絶対にいます。
そうした人を救っていたのが昔のお見合いのシステムでした。

相手を見つける、お見合いの場所のセッティング、支払い、お互いの連絡調整、全部世話人(仲人)がやってくれます。
さらにお互いの恋愛相談や今後の進め方までお膳立てしてくれるこのシステム、すごくいいと思います。

結婚する人はこのくらいできないといけない、男性だったら女性をリードして・・、理想ではそうですが無理な人はいるのです。
そういう人たちを助けていたこの「昔のお見合い」は絶対に否定できないと思います。

ただ、その仲人をできる人がいなくなっているのでお見合いを設けること自体が難しいのだなぁ、というのが総評になります。